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自動化された機械学習(AutoML)の現状と将来性 について

AI(人工知能)テクノロジー企業のAppier(エイピア、共同創業者/CEO:チハン・ユー、以下Appier)のチーフAIサイエンティストであるミン・スンは、自動化された機械学習(AutoML)の現状と将来性について発表します。

 

1.データサイエンティストの役割を変える

AutoML(Automated Machine Learning:自動化された機械学習)とは、機械学習モデルの設計・構築を自動化するための手法全般、またはその概念を指します。

AutoMLの目的は、機械学習で必要なすべてのプロセスを自動化し、効率よくコストを削減することです。これまで、機械学習を最大限に活用するためには、モデルの作成、適用、最適化を行う高度な技術を持ったデータサイエンティストが必要でした。AutoMLが普及すれば、データサイエンティストへの依存度が低くなり、人材の不足やコスト面での問題も最小限に抑えることが可能になります。しかし、AutoMLの普及によってデータサイエンティストは完全に不要となるわけではありません。

ミン・スンは「AutoMLの有用性は、導入する業種、データタイプ、関係するモデルクラスによって異なります。デジタルマーケティングは、データ収集とクレンジングの面からAutoMLの恩恵を受けることができる分野の1つであると言えます。」と述べている一方で、「AutoMLを安易に適用しないように」とも研究者たちに訴えています。なぜなら、AutoMLは人間の知識を完全に置き換えるものではないからです。導入するプロセスを選別することが重要です。

ミン・スンは、「デジタルマーケティングでは、人間が手作業で行うよりも自動化したほうがはるかに効率的となる作業に、自動化ツールを適用することが可能です。従来これらのプロセスとは、十分なデータの裏付けがある反復作業や、複雑すぎる作業のことを指します。AutoMLを導入すれば、人間は反復的な作業から解放され、量より質が求められるタスクにより時間を割けるようになります。」と述べています。

つまり、AutoMLがデータサイエンティストに取って代わるのではなく、人間と機械が手を取り合って作業するアプローチ(半AutoML)が必要ということです。

2.メリットとコストを比較する

AutoMLで何ができるのか、それがどのように機能するのかを正しく理解していれば、企業はAutoMLを導入することで多くの利益を得るでしょう。機械は人間よりもはるかに効率よく作業を行い、ヒューマンエラーのリスクも最小限に抑えることが可能だからです。

しかしながら、AutoMLが必ずしもコスト削減につながるわけではありません。AutoMLの理論の1つとして話題になっているのが、ニューラル・アーキテクチャ・サーチです。研究者たちは、自動化されたニューラル・アーキテクチャ・サーチが可能であることを実証していますが、そのためには膨大な計算能力が必要になります。したがって、AutoMLの導入を検討している企業は、潜在的な利益と金銭的なコストや時間を比較して、賢く利用する必要があります。

また、AutoMLはヒューマンエラーのリスクを最小限に抑えますが、エラーを完全に排除することはできません。AutoMLは定義したメトリック(距離)のみを最適化するため、メトリックの定義方法を間違えてモデルを作成した場合、問題を解決できません。この問題はAutoMLに特有のものではなく、人間が問題解決プロセスに関わることで、モデルの動作が正しくないことに気づき、それを修正することができる場合もあります。人間をプロセスから排除することで、効率という点では大きな利益を得ることができますが、安易に行うと、より多くのエラーを引き起こす原因となることもあります。

3.実行に移す

企業は、人間がプロセスに関与することによるメリットとデメリットを秤にかけて、自社のビジネスモデルにとって何が最善かを決定する必要があります。例えば、プロセスの各段階で人間がプロセスに参加していると、そのモデルは拡張性が低くなる可能性があります。しかし同時に、各モデルを構築しながらプロセス全体を自動化するのは時間がかかりすぎてしまいます。

現在、最良のソリューションは、特定の分野でAutoMLを使用する半AutoMLの導入であると言えます。特定のステップを自動化することで、効率とオーディエンスへのリーチ率も向上し、精度が低下しないところに計算能力を集中させることができます。ここで重要なことは、AutoMLはビジネスの目標にとって本当に有益な場合にのみ利用されるべきであるということです。そうでなければ、技術のために技術を使っていることになってしまいます。

AutoMLは正しく使用する場合に限り、企業、特にマーケターに多くのメリットをもたらします。機能を正しく理解し、自分の組織においてどのように利用すべきかを現実的に判断して、その可能性を最大限に活用することが大切です。

 

Appier について
Appier は、AI(人工知能)テクノロジー企業として、企業や組織の事業課題を解決するための AI プラットフォームを提供しています。詳細はwww.appier.com/jp/ をご覧ください。

※過去の発表はhttps://www.appier.com/ja/category/newsletter/をご覧ください

 

ミン・スン プロフィール

2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるAndrew Ng(アンドリュー・エン)氏、元Google CloudのチーフサイエンティストであるFei-fei Li(フェイフェイ・リー)氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表。

2014年に国立清華大学の准教授に就任。2015年から2017年には、CVGIP(Computer Vision Graphics and Image Processing)Best Paper Awardsを3年連続で受賞。

専門分野は、コンピュータビジョン、自然言語処理、深層学習、強化学習。

2018年には「研究者には肩書きよりもデータが必要」と感じ、AIテクノロジー企業AppierにチーフAIサイエンティストとして参画。新製品の開発、既存製品の機能改善のほか、記述的な課題解決を行う。

 

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