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アップセルで利益を最大化するための8つの手法

LOOKFANTASTIC、Sky、インターコンチネンタルホテルズアマゾンなどの有名ブランドの共通点は何でしょうか。これらのブランドは、収益を促進するためのマーケティング戦略の一環として、アップセルをうまく使っています。

顧客に対してアップセルや、既存の製品の高額なもの、あるいはアップグレードを提供することは一般的な販売促進ですが、それを最大限に活用するには適切な戦術が必要です。

新しい顧客を獲得しようとするのではなく、アップセルはすでに製品やサービスを購入している既存を対象にしています。これは、興味喚起と意識づけがすでに実施されており、少しプッシュするだけで購入、あるいは客単価の引き上げにつながるということで、マーケティング支出を減らし、生涯顧客価値の向上に帰結します。

アップセルは新しい顧客を獲得するよりも手頃な価格でできるだけはありません。Forresterの調査によると、製品のレコメンデーションは ECサイトの収益の10〜30%に影響することが明らかになりました。購入ごとにわずかに利益を追加できるだけでも、積み重なれば無視することはできません。正しく実践すれば、顧客にとってもメリットであるように見せることもできます。 アップセルを増進することで利益を最大化するための、今日から実践できる8つの手法を紹介します。

  1.顧客ジャーニーのマッピング

既存の顧客の理解を深められればそれだけ、アップセルの取り組みはより、価値主導なものに近づきます。

まず、複数のチャネルの顧客データを組み合わせて、全方位的な顧客視点を作成します。このデータには、顧客とのやり取りだけでなく、個人情報やデモグラフィックも含まれます。

次に、人工知能(AI)を使用してデータクランチング(大量のデータの集まりの中から一定の法則を見つけ出し、利益になる情報を生み出す)をすることで、 顧客のジャーニーを通じて各タッチポイントにおける顧客の行動と好みをより理解し、購入したい製品、購入する時期、購入する可能性が最も高いところにアップセルの取り組みを合わせることができます。

また、特定の顧客マイルストーンに合わせて製品のレコメンデーションを調整することもできます。たとえば、顧客になって1 年間経ったり、メンバーシップが次のレベルに達した、などのタイミングに合わせることです。

  2.コンテンツを使用して信頼とつながりを向上する

強引な販売員を好む人はいません。同じように自社を信頼できる、顧客にとって役に立つパートナーとして位置付けることで、アップセルを販促というよりむしろ、付加価値として展開することができます。

これには、ヒント、ハウツー動画、進捗状況のリマインダーなど、過去または現在の購入に関する関連情報、有用な情報、または教育的な情報が有効です。こういった情報によるコミュニケーションは、深いつながりを構築するのに役立ちます。

  3.お客様それぞれのゴールに合わせたアップセル

すべてのお客様を画一に扱い、全員に同じ製品を勧めることがないように気を付けましょう。過去の購入、現在および将来のニーズ、自社のチャネル外の興味関心についてのデータに基づいて、個々にパーソナライズされたレコメンデーションを提供することが重要です。

たとえば、ある顧客が普通の腕時計を購入しようとしていて、一方でデータは顧客の目標がフィットネスであることを示唆していたら、健康状態とトレーニング結果をモニターできる時計を勧めることでアップセルにつながります。レコメンデーションをパーソナライズすればするほど、追加できる価値が増え、生じる利益も大きくなります。

  4.できるだけ購入プロセスを簡単にする

簡単でシームレスなユーザー体験を提供するのは、一般的に見ても良い方法です。「簡単でシームレスな」アップセルとはどのようなものでしょう。

レコメンデーションが明確で、顧客の現在のニーズに合わせたカスタマイズがなされているようにしましょう。AI駆動ジャーニーマッピングから得られたインサイトをベースにすれば、顧客が購入を予定しているまさにそのときに、最適なレコメンデーションを、一番のお気に入りのチャネルから送信できます。

さらに、各項目に個別のCTAボタンを追加して、欲しいものを絞り込みやすくします。最後に、CTAごとに導線を考慮して、購入完遂までの手順を簡素化します。

  5.価格のアップグレードは慎重に

顧客により高い価格で購入してもらうのがアップセルの目的ですが、購入する製品とアップグレードの差額を大きくしすぎるべきではありません。想定予算との価格差があまりにも大きいと、オファーの信ぴょう性が下がったり、そもそも検討対象外になる可能性があります。

ECプラットフォームShopifyは、元の製品よりも 25%の増額が最適としていますが、 40%まで増額できるという考えもあります。

  6.製品比較の提供

製品比較は、より高価格の製品の価値を実証し、コンバージョンを促進する最も簡単な方法の1つです。

たとえば、Skyは機能とダウンロード速度を様々なブロードバンドパッケージと一緒に表示しますし、Appleは様々なMacBookモデルの仕様と機能を並べて表示します。これにより、顧客が各製品ページ間を行ったり来たりする無駄を省いています。

  7.製品の評判を考慮する

初めての購入にはもちろん、アップセルにも、製品の評判を活用することは有効です。推奨している製品がそれを購入した他の顧客の間でベストセラーになっていたり評判がよいものであれば、それを明示することで、悩んでいる顧客の購入を後押しできます。

  8.オファーに緊急性を追加する

期間限定の割引を提供することで、アップセルのレコメンデーションに緊急性を加え、顧客のアクションを促進します。また、「いますぐ」などの言葉を加えたり、赤などの緊急色を利用したりすることも効果的です。

他にも、たとえば100USドルを超えると送料無料、といったオプションを提供することで、あと少しで合計金額が100USドルになる価格帯向けにとって、魅力的なアップセルオファーになります。

  アップセルを成功させるには、提供するオファーそのものだけでなく、それを提供する手段にも気を付ける必要があります。データを使用して、上記の他の戦術と一緒にアップセル製品のレコメンデーションをパーソナライズすることで、強引に売りつけるのではなく、顧客にとっての付加価値として位置づけることができ、最終的には、より収益性の高い購買につなげることができます。

  * Appier ソリューションにご興味がありましたら、 こちら からお問合せください。

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