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金融機関にとって顧客エンゲージメントが重要な理由

アジア太平洋地域(APAC)における金融機関の顧客エンゲージメントは、今後さらなる改善が可能であり、それらの多くは、顧客のニーズを先取りしたアプローチが重要になります。事後対応では顧客体験は乏しくなりがちで停滞してしまい、他での顧客体験を求めて顧客の流出が懸念されます。

しかし、適切な人工知能(AI)ツールを使用することで、金融サービスでの顧客エンゲージメント戦略を事後対応型からプ顧客のニーズ先取り型にシフトし、その過程でさまざまな戦略を実践することができます。  

1. 金融機関における顧客エンゲージメントの現状

  APACの金融機関で十分な顧客エンゲージメントがなされていないことは事実です。IDC Financial Insights によると、この地域の銀行の80%は依然として一貫性のない顧客体験を提供しています。報告書によると、ほぼ半数の銀行(46.4%)がオムニチャネル戦略に対して単発的なアプローチしか取っていなかったため、顧客体験が浅くなっています。

さらに、銀行がリアルタイムで、臨機応変な顧客体験を提供することが重要であると述べています。これは、APACの金融機関にとって大きなチャンスを意味します。

顧客の期待に応える、またはそれを超えることができれば、顧客はロイヤルカスタマーとなり、従業員やビジネスパートナーのロイヤリティーも獲得することができます。  

2. 金融機関の課題

  金融機関が保有するデータを顧客エンゲージメントのために有効に使用できていないのが現状です。データが導くことができる可能性を十分理解していないがために、データの有効活用ができていないともいえます。 次に、レガシーの問題があります。

多くの金融機関は昔ながらの働き方をしているため、面倒なデータ保有とその分析が負担になっています。 時代遅れのデータポリシーと相まって、顧客のニーズを先取りした顧客エンゲージメントを妨げてしまっています。

積極的に自社のサービスを提供するためには、顧客の断片的な分析ではなく、自社サイト以外での顧客の関心や意図を把握する必要があります。データサイエンスとAIを活用して、パーソナライズされた顧客エンゲージメント手法を作成すれば、これらが可能となります。  

3. 顧客を知る

  最初のステップは、オフラインチャネルとオンラインチャネルの両方から顧客データを統合して、個々の顧客の完全なプロファイルを作成します。

データ量は問題ではありません。

支払いのデジタル化が増加しているため、金融機関には大量のデータがあります。

課題は、ウェブサイト、マーケティングキャンペーン、アプリ、顧客関係管理(CRM)、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)の統合などの幅広いソースからデータを収集し、そこから最も有意義な洞察を引き出すことです。

これを行うための最良の方法は、顧客データを統合および強化するデータサイエンスプラットフォームの使用で、大量のデータを理解するのに役立ちます。多種多様なソースからデータを合理化することにより、金融と非金融の両方の顧客の関心を発見できます。

これにより、顧客と親密に関わることができ、顧客のニーズや要望によりよく応えることができます。  

4. ライフサイクル全体で顧客のニーズを予測する

  各顧客の360度ビューを構築したら、それらをオーディエンスセグメントに分けます。

これらのセグメントは、顧客の行動と関心に基づいています。ディープラーニングは、サードパーティのデータを使用することで、自社チャンネルだけでなく、外部のウェブサイトでの人気でユニークなものを評価するのに役立ち、カスタマイズしたマーケティングを微調整できます。

ライフサイクルのあらゆる段階で顧客のニーズを予測することさえできます。

たとえば、大学を卒業後、仕事を始めたばかりでプレミアリーグのファンである顧客は、ロンドン旅行プレゼントというくじ引き付きの貯蓄口座開設キャンペーンに参加する可能性は高いでしょう。

より高いコンバージョンを確保するためには、顧客についてより深く掘り下げて知る必要があります。ディープラーニングでは、各セグメントのコンバージョン率(CVR)と広告費用対効果(ROAS)を予測し、ランク付けできます。その後、ランキングに基づいて最も有効であると思われるセグメント、またはキャンペーンに参加または応答する可能性が最も高いセグメントを特定できます。  

5. メッセージをカスタマイズする

  年金に関心のあるセグメントと迅速なローンを探しているセグメントでは、ニーズは異なるため、顧客のニーズを十分に理解できれば、効果的にパーソナライズされたマーケティングキャンペーンの展開が可能になります。

メール、プッシュ通知、アプリ内メッセージ、SMSなど、メッセージの配信方法を選択することもできます。

AIは過去のキャンペーンデータを分析し、どのチャネルまたはどのタイプのクリエイティブが応答を引き起こす可能性が最も高いかを見つけることができます。

たとえば、スマートフォンで朝の通勤中にプッシュ通知を使用したり、夕方にタブレットでインターネットを閲覧しているときにメールで送信したりできます。

積極的なエンゲージメントアプローチは、顧客の意思決定にとって大きなインパクトをあたえることになるでしょう。

AIが金融機関のデータをどのように分析し、ご活用いただけるかぜひご覧ください。

的確な予測と洞察により、効果的なマーケティング戦略とキャンペーンを作成できます。

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