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パンデミック後のデジタル広告戦略強化のための8つのポイント

新型コロナウイルスの感染のおさまりを見せたタイミングで多くの国が経済活動を再開しました。企業はそれに呼応して新常態に適応しなければなりません。自宅待機や外出自粛を余儀なくされた消費者はコロナ禍での行動からそれ以前の状況に戻ってはおらず、この事実は広告業界に大きな影響を与えています。

自粛の間、消費者の中には ニュースサイトを読んだり、ストリーミングサービスを使って映画やテレビ番組を観たり、オンラインヨガ教室に参加した人も多かったようです。また、ソーシャルメディアやメッセンジャーで連絡を取り合ったり、オンラインショッピングをする時間が増えており、自粛解除後も オンラインサービスを使って自宅で過ごす時間が大幅に増えています。 買い物の習慣も変わってきました。

アクセンチュアによると、消費者は、無駄を出さないようにし、より健康に配慮し、コスト効率の良さを優先させるようになりました。また、自然環境に配慮した商品な選択をするようにもなりました。まとめ買いをしたり、地元の生産者から買い物をしたりする傾向も強くなっています。

これらの行動の変化は、世界的に広告費が大幅に減少し、 テレビからデジタルへの広告予算のシフトを加速させており、企業の大半は 広告費の削減を検討しています。広告主は、この新しい状況に対応し、限られた予算内のすべての広告費を最大限に活用するための広告戦略強化がひつようとなります。そこでAppierから、8つのポイントをご提案します。

  1.機敏に判断し、行動する

長期的なメディア戦略が大きく変わることはないかもしれませんが、 中国の61%の企業が実施した通り、短期的な戦略を現在の環境に合わせて機敏に判断し、行動することが重要です。今回の環境変化は、消費者はこれまでとは異なる行動をとっていることを意味し、広告はそれに対応する必要があります。しかし、事態はまだまだ変化する可能性があるため、現状に満足せず、戦略の見直しができるよう体制を整えましょう。

  2.地域別に予算を配分する

地域によって新型コロナウイルスに関する規制の緩和の判断基準が異なります。場合によっては、同じ国内でも都市や地域によって大きな違いがあります。マーケターはこの事実を踏まえ、国や地域全体に1つの包括的な戦略を適用しないことが重要です。そうでなければ、広告費を無駄にしてしまうリスクがあります。

マーケターは、このリスクを回避するために地域ターゲティングツールを使用し、国、地域レベルで広告予算を適切に配分することができます。このツールにより最も効果的な場所に広告予算を投下することで、ROIを向上させることができます。

  3.最も価値のある顧客をターゲットにする

広告予算が削減された場合には、売上に結びつく可能性の高い顧客をターゲットにする必要があります。ディープラーニングが搭載されたマーケティングツールを使ってファーストパーティデータやサードパーティデータを分析し、顧客をセグメントに分けることで、自社がターゲットにすべき消費者を特定することができます。このようなセグメンテーションを行うことで、継続的に購入してくれる顧客、過去に解約してしまったがもう一度関係構築すべき顧客を把握することも、データベース内で重複している顧客へのマーケティングを回避することもできます。そして、ディープラーニングに様々なオーディエンスセグメントの潜在的なコンバージョン率を計算させ、 最も価値のある顧客をターゲットに、最も高いものから最も低いものへとランク付けすることができます。それにより、広告費が最も効率的に使われていることを確認することができます。

  4.コストパフォーマンス高く新規顧客を獲得する

この時期にビジネスを前進させるためには、既存顧客の維持が非常に重要ですが、これは新規顧客の獲得を延期するということではありません。多くの企業が広告予算を削減したり、パンデミックの期間中にすべてのマーケティング活動を停止したりしたため、オンライン在庫の需要が低下し、コストが低下しました。例えば 、Facebookの1,000インプレッションあたりのコストは、 クリック単価と同様に世界規模で低下しました。この低下したコストを活用して、新規ユーザーの獲得、顧客基盤の拡大、売上の拡大に予算を割くことができます。

  5.リターゲティングで見込み客を呼び戻す

リターゲティングとは、何も買わずにサイトを離れた消費者をターゲットにした広告手法です。ファーストパーティデータやサードパーティデータを使用して消費者の行動を分析することで、自社のチャネルだけでなく、外部のウェブサイトでも消費者の興味を発見することができます。この洞察を活用することで、消費者がサイトを離れた後でも、パーソナライズされた広告を配信することが可能になります。 機械学習を活用してユーザーの購入履歴のデータを解釈し、行動のパターンを特定することで、ユーザーの将来の行動を予測し、どの消費者が購入する可能性が高いかを知ることもできます。これにより、優先順位をつけるべき顧客を決定するのに役立ちます。

  6.文脈に応じたターゲティングの活用

コンテクストターゲティングでは、行動によって顧客をターゲティングするのではなく、顧客をトピック、キーワード、分類法にマッチングさせ、消費者が保有するデバイスに最適なタイミングで最も関連性の高い広告を配信します。

コンテクストターゲティングは、プライバシールールに沿っているだけでなく、顧客の興味関心事をより深く理解するのに役立ち、マーケティングメッセージをパーソナライズすることができ、顧客の欲求やニーズに応えられるようになります。また、広告は消費者がすでに視聴しているコンテンツに関連しているため、行動ターゲティングよりも関連性が高くなります。また、広告は特定の文脈でしか表示されないため、繰り返し表示される広告による嫌悪感を軽減することができます。

  7.コミュニケーションチャネルの選択に柔軟性を持たせる

消費者は人気のあるプラットフォームに引き寄せられる傾向があります。例えば、ソーシャルメディア(Instagramの「いいね!」数は 76%増)、オンライン・ストリーミング・プラットフォーム( Netflixの新規加入者数は1月下旬から4月下旬にかけて当初予想していた2倍以上に増加)、オンライン・ニュース、オンライン・フード・デリバリー・プラットフォームなどが上位を占めています。

中国(30%増)、イタリア(11%増)、フランス(7%増)など、 世界中でモバイル端末の平均利用時間が増加していますが、その多くの場合携帯電話を介して行われています。

マーケターは、広告は上記のような消費者が一番目にする場所に掲載したいなら、インプレッションが増加しているそれらのプラットフォーム上に関連する広告を配置すると、広告の視認性が向上します。さらに、広告がアプリのプッシュ通知、ウェブプッシュ、メッセンジャーやSMSを介してであるかどうか、コンバージョンの機会を増やすために適切なチャネルを介して配信しているかを確認する必要があります。

  8.小さく始める

マーケターは、すべてのインプレッション、クリックとコンバージョンを見ることができます。テレビ広告に比較してデジタル広告の最大の利点の一つは、その効果を追跡し、測定することが容易であるということです。これは、マーケターのROIに対して現実的な評価を与え、広告主に対しては評価軸を提示できます。

小規模でも厳密なテスト環境を設定することで、不確実な時期に多くのお金を投資する前に、マーケティングがどれだけ効果的であるかを正確に測定することができます。小規模なプロジェクトで成功や失敗を経験することにより、さらに規模の大きいプロジェクトの展開のための学びを得ることができます。

  結論

デジタル広告戦略は、新しい日常に適応する必要があります。データドリブンなアプローチを取ることで、パンデミック後の世界で消費者行動の変化に対応し、顧客に最適なサービスを提供できる体制を構築しましょう。

*Appierの CrossXアドソリューションがキャンペーンのパフォーマンスを向上させる事例をご紹介します。ご質問がありましたら、 こちらからお問合せください。  

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