Appier Group株式会社 (エイピア、本社: 東京都港区、代表取締役CEO: チハン・ユー、東証プライム: 4180、以下Appier) は、9月に入り、旅行業界は夏本番の施策実行フェーズから、秋・年末商戦を見据えた計画の段階へと移行しつつあります。しかし、2026年の旅行マーケティングを取り巻く環境は、これまでとは大きく様変わりしています。夏の終わりに向けて早期予約層の関心を取り込むという、従来の「シーズンオフ商戦の定石」は、もはや以前ほどの効果を発揮しなくなっています。特定の時期に広告費を投下し、流入増加を期待するだけの手法では、目が肥えた今の旅行者の心をつかむことはできません。
為替水準の高さや燃料価格の変動、マクロ経済の不確実性も重なり、旅行業界では「取扱量の拡大」を中心とした成長戦略から、収益性とマーケティング効率を重視する戦略への転換が進んでいます。旅行需要そのものは引き続き堅調である一方、消費者の価格感度は高まっています。予約に至るまでの行動も、これまで以上に慎重かつ計画的になっています。
繁忙期の境界が曖昧に、分断されるカスタマージャーニー
近年、繁忙期と閑散期を分けてきた従来の境界は大きく曖昧になっています。業界では、この変化を「需要の分散化」と捉える動きもあります。以前は特定の季節に予約需要が集中していましたが、現在は年間を通じて需要が分散しています。数カ月前から手頃な価格の商品を確保する「早期予約層」がいる一方で、直前に衝動的な意思決定を行う「直前予約層」も存在します。さらに、個人旅行(FIT)の拡大に加え、プレミアム旅行や高価格帯の旅行商品に対する継続的な需要もあり、旅行者のニーズはますます細分化しています。
最大の課題は、旅行者を実際の予約へ転換するプロセスが極めて複雑になっていることです。消費者はSNSやYouTubeで旅行情報を見つけ、生成AIを活用した検索体験を通じて情報を比較します。その後もOTAアプリや価格比較サイトを何度も行き来しながら、最終的な意思決定を行います。
マーケターにとって、顧客との接点は増加した一方、コンバージョンに至るまでの経路は長期化し、断片化しています。消費者の意思決定がリアルタイムで変化するなか、従来型の単一チャネルに依存したキャンペーン戦略だけでは、十分な成果を生み出すことが難しくなっています。
そのため、顧客データを統合し、パーソナライズされたレコメンドを提供するとともに、マーケティング施策をリアルタイムで最適化する能力が、旅行企業にとって重要な競争優位性となっています。
旅行業界が注目する「自律型AI」
こうした課題を乗り越える手段として、旅行業界では、自律的に意思決定し、行動を実行できるAIシステムである「自律型AI」への関心が高まっています。
従来のAIは、データ分析やコンテンツ生成を支援する受動的なツールとして活用されることが一般的でした。これに対して自律型AIは、マーケターの事業目標を理解し、目標達成に向けた最適なプロセスを設計したうえで、キャンペーンを自律的に実行します。
Agentic AI as a Service(AaaS)を提供するAIネイティブ企業のAppierは、マーケティングファネル全体に自律型AIを組み込むことで、旅行業界の変革を支援しています。旅行者の予約意向や需要が常に変化する現在の旅行マーケティング環境において、Appierは、断片化した旅行者データを統合し、リアルタイムの顧客ビューを構築します。これにより、予約意向の高いユーザーや高価値ユーザーを特定できます。
さらに、ユーザーの行動シグナルに基づき、AIが最適な配信タイミングを自動で判断します。旅行者の関心に合ったメッセージを生成し、カスタマージャーニー上の行動に応じて、パーソナライズされたレコメンドやオファーを提供します。これにより旅行ブランドは、より適切なタイミングで関連性の高いコミュニケーションを行い、コンバージョン、稼働率、収益性の向上につなげることができます。
世界の旅行ブランドにおける自律型AIの活用事例
Appierと提携する国内外の企業では、すでに自律型AIを活用し、従来のマーケティング手法が抱える限界を乗り越える取り組みが進んでいます。
Trip.com:AIを活用し、デジタルマーケティングの最適化を推進
グローバルオンライン旅行サービスプロバイダーのTrip.comは、AppierのAIソリューションをデジタルマーケティング施策に活用しています。AIを活用した広告配信や入札、クリエイティブの最適化などを通じて、マーケティング施策の効率化と、より関連性の高いコミュニケーションの実現に取り組んでいます。
Omio:純増効果を可視化し、1市場から欧州21カ国へ拡大
グローバル旅行予約プラットフォームのOmioは、市場拡大の段階において、単純な取扱量の拡大から脱却し、収益性の高い高価値ユーザーを大規模に獲得することを目指していました。そこでOmioは、メディア・ミックス・モデリング(MMM)を活用した「Agentic Incrementality」を備えるAppierの「Ad Cloud」を導入しました。これによりOmioは、複数の市場において、広告クリエイティブと広告在庫のさまざまな組み合わせが、新規ユーザー登録全体に与える因果効果を継続的に測定し、調整できるようになりました。その結果、厳格なCPAおよびROAS目標を達成しながら、わずか1年でスペインの単一市場から欧州21カ国へとユーザーベースを拡大しました。
NOL:プライバシー環境の変化に対応し、180%のROASを達成
韓国を代表するレジャープラットフォームのNOLは、AppleによるiOSのプライバシー関連アップデートを受け、精度の高いターゲティングが難しくなるという課題に直面していました。この課題に対応するため、NOLはAppierのAIを活用したオーディエンスモデリングとディープラーニング技術を導入しました。Appierの自律型AIを基盤とする「Ad Cloud」は、ユーザーの興味関心や行動パターンを分析し、高価値ユーザーを高精度に特定します。同時に、宿泊、レジャー、航空券といった各カテゴリーで変化する旅行者の嗜好に応じて、パーソナライズされたオファーを配信しました。その結果、NOLはマーケティング環境の制約が強まるなかでも180%のROASを達成し、プラットフォーム全体の取引成長を支えることに成功しました。
ezTravel:分断された行動データを統合し、CTRを最大6.8倍に向上
台湾最大のオンライン旅行プラットフォームであるezTravelは、多岐にわたる旅行商品カテゴリーを横断する分断されたユーザージャーニーを把握し、継続的なユーザーリテンションを促進するため、Appierのソリューションを導入しました。ウェブサイトとモバイルアプリに分散していたユーザーの行動データを単一のビューに統合し、AppierのAIがリアルタイムの嗜好に基づいてユーザーを自動的にセグメント化しました。さらに、パーソナライズされたウェブおよびアプリのプッシュ通知とアプリ内メッセージを配信しました。その結果、ezTravelはプラットフォームのリテンションを安定させるとともに、クリック率(CTR)を4倍から最大6.8倍に向上させました。
もはや選択肢ではない、旅行マーケティングの新たな成長戦略
2026年の旅行マーケティングにおける成功は、単に広告予算を増やすことでは実現できません。Deloitteが指摘するように、重要なのは「適切な顧客に、適切な商品を、まさに適切なタイミングで提案できるかどうか」です。カスタマージャーニーが長期化し、断片化を続けるデジタル環境においては、データ分析、意思決定、施策実行をシームレスにつなぐ高度な自律型AI技術の導入が、重要な解決策となります。
今後、旅行市場で競争力を高める企業は、受動的なマーケティング自動化にとどまらず、変化するユーザー行動を捉え、リアルタイムで自律的に最適化できる自律型AIを積極的に活用する企業です。複雑化するカスタマージャーニーに向き合う旅行マーケターにとって、施策の因果的な事業効果を明らかにし、測定可能な成果を生み出す自律型AIの活用は、もはや単なる選択肢ではありません。持続的な成長と競争力を確保するための重要な戦略となっています。
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Appierについて
Appier(東証プライム:4180)は、『AIをもっとシンプルに』というビジョンのもと、2012年にAIネイティブ企業として設立されました。Appierの「広告クラウド」「パーソナライゼーションクラウド」「データクラウド」は、リアルタイムに思考し、自ら最適解を導く高度な自律型AIが搭載された「自律型AIサービス(AaaS: Agentic AI as a Service)」を通して、最先端の広告・マーケティング技術を提供しています。AIをビジネス成果(ROI)に直結させることで、顧客企業の成長を支援しており、現在、アジア太平洋地域、米国、欧州に17の拠点を構えグローバルで事業を展開しています。東京証券取引所プライム上場(IR情報)